失敗学のすすめ
失敗を単に否定的に捉えるだけではなく、今後に肯定的に 生かすことを説いている本。 失敗には防ぐことの出来るものと、技術的に知られていないため そのメカニズムを解明することで発展につながるものがあることを 多くの事例を引いて述べている。 失敗についてだけでなく、プロジェクトの類がどのようにして 考えられたのかという裏設計についても書かれていて、参考になる。 特に、思考が論理的にまっすぐ進むものではなく、何度も 前の段階に戻って練り直すというところは確かにその通りと思った。 さらっと読むには内容がしっかりしているため、もう少し 読み返す必要がある。 ・ 〈入門〉ユビキタス・コンピューティング
ユビキタス・コンピューティングの現在の技術や 普及状況についてと、今後予想される技術について 書かれている本。 開発された技術を商品としていかに取り入れ、 受け入れられるようにするかという点にも書かれていて、 納得しやすい。 特に本の代わりになる媒体として松下が開発した 極めて動きの遅い液晶を利用した製品が興味深かった。 技術技術した難しい用語も出てこず、文章も 分かりやすくていい。 ・ 現代語訳・徒然草
いうまでもなく古典として名高い徒然草を、大正時代の作家である佐藤春夫が わかりやすい現代語訳にしているもの。 教訓的なもの、皮肉たっぷりな話、おかしな出来事など、バラエティに富んだ 話を面白く読むことが出来る。 書かれたのは室町時代だが、昔風がよいという、いつの時代でも老人が言うような 話が出たり、迷信や祟りが強く信じられていた当時、公家の徳大寺実基が 現代でも通用するような合理的な説明をして実際に祟りが発生しなかった話など 特に教科書に出てこないような話が面白い。 ものにもよるが、徒然草はさすが古典として面白いと思える。 ・ 人気が根深いのも分かるなあ
Sankei Web【クリック】『庶民日本史辞典』八切止夫著
八切止夫の作品が面白いので、最近3冊ほど続けて読んでいる。 上記の作品で、彼の作品の復刊は一区切りを終えるとのことである。 彼は15年ほどまえに亡くなっていて、それがこのような形で復刊されるというのは 並々ならぬ人気があるからに他ならない。 『信長殺し、光秀ではない』『徳川家康は二人だった』『上杉謙信は女だった』 と奇をてらったようなタイトルの作品が多いが、読むときちんと考証がなされて おり、かなり読みごたえがあるのがいい。 根強い人気があることもよく分かる。 最後にあった、八切氏の作品についての特性と現代の歴史学への皮肉ともとれる コメントが面白かった。 フィクションと地続きのノンフィクションともいえるが、 現今の実証主義的歴史学に最も欠けるものこそ、フィク ション性にほかならない。つまりは面白くない歴史学が 八切の“復刊”を生んだともいえるか。 書店にて、なかなかなじめない
昨年の冬のある日、よく行く書店の新書の棚をのぞくと、違和感があった。
知らないカバーの新書が何冊も置いてあった・・・というわけではなく、 講談社現代新書が装幀を変えたため、すぐには分からなかったのである。 ”40周年を機に装幀を一新”、”33年ぶり2度目”とのことだが、それは 読者としてはどうでもいい。 問題は、これまでの長所というか気に入っていた”リアルなイラストが内容を 想像させて勘違いして買ってしまいそうになる”という部分がなくなったと いうことである。 新しいカバーは表紙が色のついた正方形で、いまいち。中公新書のような重厚さも なければ集英社新書のように飽きの来ないデザインでもない。 デザイナーの中島英樹氏には失礼で申し訳ないが、これはという個性が 見出せない。 これまでは学生時代から新書では最も多く読んできたと思うが、今回の変更により 読まなく(買わなく)なると思う。 ちなみに、最近の新書でデザインがいいと思っているのは、集英社である。 シンプルで落ち着いているという印象。
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