雨読夜話

日はまた昇る−日本のこれからの15年
日はまた昇る−日本のこれからの15年

草思社
ビル・エモット (著) ,吉田 利子 (訳)

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『日はまた沈む』という著作でバブル崩壊を当てたとされる
米国のジャーナリストが、今度は日本の復活を描いている本。

90年代に日本は不況に陥り、その影響から逃れるための
方策は遅々としてなかなか進まなかったが、15年かかって
ようやく問題解決の見通しが立ったとしている。
そして今後もドラスティックな変化はないものの着実に
日本はよくなっていくと予測している。

米国の知識人が日本について書いているため、欧米では
このような見方をされているのかということは分かったが、
それほど内容は深いものではなかったといえる。

コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2006年12月27日

よく考えてみると、日本の未来はこうなります
よく考えてみると、日本の未来はこうなります

ワック
日下公人

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日下氏が雑誌等で書いた論考をまとめた本。

日本は外交で外国に脅される場面がしばしば見られるが、
それをやって本当に困るのはその国であることが多いらしい。
(貿易自由化、逆に資本引き上げなど)
そのため、もっと毅然とした外交を行えという主張をしている。

これは7月に北朝鮮のミサイル発射問題で日本が中国とロシアに
対して”拒否権を使いたければどうぞ”という姿勢を見せたことで、
結局非難決議が可決したことが例としてあげられている。

今回北朝鮮が核実験に踏み切ってしまったことで、スタートから
ふらつき気味だった安倍内閣は逆に盛り返し、本書に書かれている
制裁を次々と行っているように見える。

最終的には核武装により現行の問題の多くが一挙に解決されると
しているが、確かに日本が保持するのは他国が保持するよりも
危険が少なく抑止力らしいとは思う。

コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2006年10月13日

数年後に起きていること
数年後に起きていること

PHP研究所
日下公人

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日下氏の未来予測を論じた本。世界が徐々に日本化していくとの主張は相変わらずで
読んでいて気分がいい。

本書で比較的新鮮だったのは、現在問題とされつつある上流と下流の格差に
ついて、これは中流という限定された枠組みの中での格差であり、過去に
存在した格差に比べれば大したことはないという主張だった。
ベースにそこそこ以上の経済基盤があっての格差であるため、多様なスタイルが
存在して経済にこだわらない風流人が増えているのは悪くないようだ。
こうしてみると、格差という考えは高度成長期やバブル時代的な考えと
いえるようである。

そういえばバブル崩壊後少しした頃に、清貧の思想がもてはやされたが、
話題にならないのは忘れ去られたためか、わざわざ言うまでもないほどに
定着したためか。

コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2006年10月11日

超大国日本は必ず甦える
超大国日本は必ず甦える

徳間書店
ハドソン研究所, 楡井 浩一

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昨年買って読みかけのまま、そのまま忘れていたので部屋の整理を兼ねて
読んでみた。

米国のシンクタンクに勤務する研究者たちが書いた、表題通り日本は
近いうちに復活することを予測している本。

技術が進めば多くの問題は解決するかのような書かれ方でそれほど面白いとは
思わなかったが、米国のインテリが日本についてどのような考え方をしているのかの
参考になったような気がする。

環境についての記載で、石油に代わって植物を利用したエネルギーの利用を進めると
森林の破壊が進むと書いてあったのには、あっと思った。
ブラジルで進んでいるエタノール燃料の自動車の普及は、温暖化防止やエネルギーの
石油依存のリスク軽減の観点から望ましいと思っていたが、エタノールの主原料となる
サトウキビやトウモロコシといった類の作物の栽培は土壌が痩せるというデメリットが
あることを失念していた。
もう少し多面的に物事を考えなければ・・・

コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2006年09月26日

上品で美しい国家―日本人の伝統と美意識
上品で美しい国家―日本人の伝統と美意識

ビジネス社
日下 公人, 伊藤 洋一

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『そして日本が勝つ』などの著作のある日下氏と、テレビにしばしば登場し
また『日本力』を出してもいる伊藤氏による、日本の現状をもっと楽観的に
捉えていこうといった本。

ある程度は他の著作と重なる部分も多いが、傍から見て比較的近いベクトルに
あると思われる両人の違いがかいま見える。

祭りが日本の活力の源となり、また暴動が少ない原因ともなっているとする
論調や、士農工商の分業システムの長所、インドや中国の抱える問題点など
新たに書かれている部分もあって面白かった。

日下氏が外務大臣にはサッカーの川淵キャプテンがいいとして、その理由に
外人が汚いことをすることを熟知していることや、外人に命令することに
慣れている点を挙げており、トルシエやジーコといった一癖も二癖もある
外国人監督を起用してきたり、不良外国人選手の問題を知っている経緯を
考慮するとなるほどと思ってしまった。

コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2006年05月08日

国家の品格
国家の品格

新潮社

藤原 正彦

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「すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論!」という帯のフレーズに
つられて買ってしまった本。

著者は新田次郎の息子で数学者という肩書きの人らしいが、テーマはタイトル通り
日本的な価値の重視といった点である。

いくつか挙げるとこのような感じか。
・論理で全てが解決すると思ったら大間違いだ
・民主政治は衆愚なので、真のエリートを養成するべきだ
・教育の基礎は情緒だ
・失われつつある武士道精神を復活させるべきだ
・いくら理屈をこねても、ダメなものはダメ

元が講演で語った内容らしく表現に独善的な点が目立つが、序言でもその点は
著者が断っている。
文章は読みやすく、言いたいことの方向性はある程度評価できるものの、
具体性が乏しくあまり琴線には響かなかった。
内容のある程度は日下公人や渡部昇一などの著書で以前読んだことのあるものも
多かったため、それほど目新しさを感じなかったのだろう。

結論としては、語り方や構成に問題があるように感じ、あまりいい本とは思えなかった。

コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2005年12月25日

日下公人の発想力講座―知の万華鏡
日下公人の発想力講座―知の万華鏡

徳間書店
日下 公人

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日本は革命が起こらなかった遅れた国と言われることがあるが、革命が起こせなかったのではなく
起こす必要がなかったのではないか?欧米が日本に要求することには、どのような発想からなされるのか?など、
地政学的、文明的、文化的などの視点から著者の考えを述べている本。

どの章も面白かったが、5章の「地理から世界を見直してみよう」というところが特に
面白かった。
世界の国は大陸国と島国に大別され、大陸国が島国を攻めても、また島国が大陸国の奥地に遠征しても
失敗するというのは過去の歴史をみるとうなずけるものがある。
・前者:ナポレオン、ウィルヘルム2世、ヒトラー
・後者:日中戦争時の日本、ベトナム戦争時のアメリカ
特に前者の例として、日本と合併したとするアメリカを除いて日本と戦争した国は必ず
滅びるというくだりは興味深い部分であった。
元、明、清、ロシア帝国、中華民国、ソ連と例は多く、さらにイギリスやオランダにしても
第2次大戦後にアジアの植民地をあらかた失うなど痛い目にあっている。
そして反日運動の強い中国共産党政府がどのようになるか・・・というところである。

他にも日本では宗教の制限がないから革命は不要だった、とか、武士社会の常識で日本は
くくれないなど発想の転換に役立つ話が多く出てくるので、購入して損はないと言える
お勧めの1冊である。
コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2005年07月02日

日本の文化力が世界を幸せにする
日本の文化力が世界を幸せにする

PHP研究所

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日下公人と呉善花の意見のやり取りの形で、日本文化の特性とその有望さを語った本。

呉さんが日本文化の独自性を掘り下げていく上での視点を提示して、それに対して
日下さんが答えていくような形で話が進んでいく。

対談は話のやり取りをそのまま書かれたようなものが多いが、それらは論点が
分かりにくく、あっちいったりこっちに戻ったりであまり読む気がしない。
それに対して本書は、1頁か2頁前後の意見をお互いが出し合う形となっているので
何をいいたいかが分かりやすくていい。
多分お互いが話を聞いているということが伝わるからだろう。

最後の方で”韓流”ブームに関するところが出てきて、両者とも冷ややかな感想を
持っていた。これはNHKの仕掛けたものだからそれはそうだと思う。
呉さんが10年以上前に書いた『スカートの風』に書いてあるような韓国社会を
見ると、ヨンさまも結婚したら威張りまくるだろう。
コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2005年01月18日

「道徳」という土なくして「経済」の花は咲かず―日本の復活とアメリカの没落
「道徳」という土なくして「経済」の花は咲かず―日本の復活とアメリカの没落

祥伝社
日下 公人

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国の経済力の背景に道徳が深く関わっているという視点から書かれた作品で、道徳の
優れた日本は今後発展を続け、冷戦後に独りよがりな行動の目立つアメリカは斜陽の
道をたどると多くの例をあげて分析している。

日本の道徳の高さとしてあげているものに労働観や法律に従う能力などがあり、反面
アメリカがここ10年以上にわたり道徳が低下した背景には、冷戦の終結でソ連など
ライバルがいなくなり緊張が薄れたからだとしている。

資本主義精神の元となっているとされているプロテスタンティズム、つまりカルヴィニ
ズムは、日本における二宮尊徳やの勤勉の思想と比べられることがあるが、大きな相
違点としてあるものに最後の審判の概念とそれに伴う失敗者の切り捨てがある。マル
クス思想でも、プロレタリアがどうなるかと言えば資本家を追い出すという形で終わ
り、それでは闘争は終わらないだろう。

アマゾンのカスタマーレビューにおいて本書は、楽観的過ぎるとか安直という評価も
あり、その根拠として最近の日本における道徳の退廃が挙げられていたが、私はそれ
ほど道徳が退廃しているとは思わない。
年配の人から見ると、道徳なんて昔からずっと退廃し続けていると思いますよ。
古い文献だかにも”最近の若い者は・・・”という愚痴が書いてあるそうだし。

この著者の考えは一貫したものがあり、前向きでありながら普段見落とされがちな視
点が多く述べられているので大いに刺激になる。

コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2004年05月26日

日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント
日本文明の謎を解く―21世紀を考えるヒント

清流出版
竹村 公太郎

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著者は長良川河口堰など河川行政に中心的に関わってきた元建設官僚で、
地勢と気象の観点から日本の歴史、社会、文化などを分析している。
徳川家康の関東への移封は水浸しの湿地帯という当時どうしようもない
土地への左遷だったために家臣たちが激怒したとか、日本は大陸から
見ると太平洋への進出をふさぐうっとうしい列島であったなど、これまで
あまり聞いたことのないことが多く出てきて、日本を考える上で大いに
参考になった。

また、諫早湾の干拓が行われた年に有明海でノリ不作になりかなり干拓を
マスコミから叩かれたが、その翌年に実はノリが大豊作になったことは
全く知らなかったので少なからずショックを受けた。いかにマスコミが
都合の悪いこと、自己の失敗を認めるようなことを触れたがらないかと
いうことが分かった。

干拓に関連して、干拓には搦(からみ)という工法がよく用いられていると
いうことが述べてあり、これは海に大きな杭を連続して打ち込み土砂を堆積
させるというものである。この文字が地名にあるところは干拓によってできた
土地だそうで、私の住む市にもこの地名があり河口近くの土地なので、ここも
干拓によって土地が形成されたのだろう。

この工法がなんとエジプトのピラミッド建設にまで飛躍するというところが
あまりにかけ離れており、最初は荒唐無稽に感じた。ピラミッドが実は
ナイル川が西の砂漠へと移動しないように建設された巨大な”搦”だったと
いうのである。ナイル川の西岸沿いに連続して建設されていることなどから
読んでいくうちに納得できるように感じた。現在有力な説は巨大かつ無駄な
公共事業だったというもので、吉村作治教授もその説をとなえているという。
しかし本書でも書かれているように、いくらなんでも無駄のために1000年も
働き続けることはできないだろうから、からみ説の方がまだ信憑性があると思う。

著者が元建設官僚なので現在の公共事業の縮小論に対して残念に感じていることが
随所に出ていて、確かに懸命にやってきた仕事を否定されることはそりゃ
たまったものではないなと感じた。
このような本を読むと視界が広がる思いがする。
コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2004年04月24日

そして日本が勝つ
そして日本が勝つ―精神から見た世界史

PHPソフトウェアグループ
日下 公人

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この人の本は日本について元気付けるような内容のものが多く、読んでいて気持ちがいい。

本書では前作から精神面から見た視点が加わっていて、イラク戦争などの最近の国際情勢についても述べられている。
日本は工作機械のような先端技術に関しても芸術を重視する精神が根付いており、外部から強制されたことが少ないので異文化のいいとこだけを取って好きな遊びをしてきたことが、ポケモンやもののけ姫など文化的な力強さを形成していると述べている。

また、冷戦後にアメリカが共食い略奪型資本主義に走っていることを危惧しており、日本がアメリカに盲従することを警告している。もともと資本主義の本質は弱いものから利益を騙し取るという略奪ではあるが。
長く戦争をしている国はお互いが似てくるそうで、その論理からいくとアメリカはテロ化するということになる。これはイスラエルとパレスチナの争いを見ていてもそうであり、パレスチナのハマスが自爆テロを繰り返せば、イスラエルのシャロン首相はハマスの指導者をヘリからの爆撃で暗殺するという具合である。
このままではアメリカは下り坂の100年を過ごすことになるとも。

日本に足りないものは諸外国に対して意見をはっきり述べる「意」の力であり、それを発揮すれば更なる繁栄をすることができるという。
対北朝鮮政策もプレッシャーをかけていけば日本だけでも問題を解決できるということで、具体的的な手段としては経済的に締め付けを行い軍事力を強化するポーズを見せることである。どうも韓国で行われてきた太陽政策は失敗だったようである。
国民もこのような意見を持つ政治家を支持するようになってきたようで、代表的なのが安倍晋三である。彼は”大量破壊兵器が見つからなかった以上アメリカはフセインを復位させ宮殿を再建させるべき?”といったことを言ったようで、これは先日ブログで書いた意見に近い。

全体を通して主張していることは、日本には勝ち続けるだけの底力があるので自身を持って意見をはっきり述べてよいと思うことをしていくべきであるということである。
それらを多くの分かりやすい例を挙げて述べているので、読後感が非常に良かった。やはり前向きなのはいいことですね。
コメント(0) | Track back(0) | 読書−日本論 | 2004年04月19日






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